塚田トオル's Blog

還暦間近のおっさんが綴る雑記録

『すばらしき世界』

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0977SNF1X/ref=atv_dp_share_cu_r 『すばらしき世界』西川美和監督 去年、今年かな?コロナで見に行けなくて。 amazonで配信されてたんで早速見ました。 いろんなことを見て見ぬ振りしないと上手く渡っていけない…

あの人もこの人も

僕はいわゆる“アラカン”だ。新型コロナウィルスの感染予防対策で、家の中で過ごすことが多くなった(以前と同じとも言えるが)関係で、昔のドラマや映画を見る機会が増えた。たった5〜6年前の作品なのに、すでに亡くなっていたり、芸能界から消えてしまった…

『友罪』

勘違いしていた。何と?『光』と。『光』は三浦しをん原作のサスペンス。大森立嗣が脚本、監督の映画だ。瑛太が厄介な悪人を演じている。もう一人の主役は井浦新。関係ないけど、この映画を撮った大森立嗣監督は千鳥の大吾にしか見えないなぁ。 『有罪』は瀬…

『あやしい(怪しい)彼女』を見比べてみた。

まずタイトルは韓国版が「怪しい」で日本版がひらがな表記の「あやしい」。韓国版の原題は『Miss Granny』 韓国版の方は、まず主人公の女の子があまり可愛くない。これは日本版の多部未華子に当然ながら軍配が上がる。この映画は主人公の女の子のキャラクタ…

ミスター・ガラス

ミスター・ガラス M・ナイト・シャマラン監督。登場人物は『アンブレイカブル』と『スプリット』の主人公だが、話としては『アンブレイカブル』と『スプリット』を単純に足して二で割ったものにはなっておらず、人智を越え科学も超越した超常現象や超能力的…

万引き家族の件

そんな意見が出てくるとは微塵も想像しなかったのですが、観た人たちの中には、日本人の家族には絶対見えないとか、あれは半島の人(在日)たちの話でしょとか、犯罪を助長するのはけしからんとか、あんなボロボロの簾なんか見たことないよとか、気持ち悪い…

『慟哭』貫井徳郎

新興宗教にのめり込み、少女を生け贄として死者復活の黒魔術を行う男と、その連続幼女殺害事件を捜査する警視庁特捜本部の緊迫した状況が、チャプターごとに交互に描かれつつ小説は進んでいく。 ラストの3~40ページのどんでん返しは、こんなベタなどんでん…

『湯を沸かすほどの熱い愛』W座 ★★☆☆☆ ネタばれ

一つには家族というものに血のつながりがはさほど重要じゃないということ、しかしいくつになっても、実母への愛は忘れられないということ。例えそれが、身勝手な理由で自分を捨てた母であっても、である。信濃八太郎も小山薫堂も「泣けた、泣けた」(特に信…

『君の膵臓を食べたい』★★★☆☆

女の子が病気で亡くなる−という話は『世界の中心で愛を叫ぶ』を超えるものはないという気がする。小栗旬の12年後のシーンを入れるなど、上手く映画として物語を成立させていると思うが、小説の方がシンプルに書けている分、バランスを欠いた思春期の心の不安…

『ナラタージュ』

『ナラタージュ』島本理生 “ナラタージュ”はナレーションとモンタージュが合わさった言葉とのこと。ナレーションに沿って画面が展開するという映画の場面の技法だそうである。 高校時代の教師、葉山貴司(松本潤)にひたすら愛を傾ける工藤泉(有村架純)。…

『永い言い訳』

西川美和の小説で彼女がメガホンを取った映画。主演は本木雅弘。 キャスティング自体は小説を読んで想像していたのとあまり違和感はなかった。 深津絵里も堀内敬子もピッタリだし、竹原ピストルもトラックの運転手がよく似合っていた。 敢えて言うならモっく…

『SEVEN』

デヴィッド・フィンチャーの作品では、『ベンジャミン・バトン 数奇な運命』が最高の作品だと僕は思っている。 そして、この『セブン』を見たときは余りの救いのなさに愕然とした。 けれど内容が濃いので、繰り返して見ても面白いし、その都度鑑賞に堪える映…

『シンゴジラ』

いろんな役者が出てましたね。二三秒しか出ていなかった人も含めると、何人出ていたのか。 ゴジラは最初出てきたとき何とも気持ち悪いブヨブヨした生き物で「なんじゃこりゃ」と思った。 一回海に引っ込んで、次に出てきたときはだいぶ見慣れたゴジラの形に…

『SCOOP!』

正直言うと、あまり面白くなかった。大根仁だし、面白いだろうと自分でハードルを上げてしまったからかも知れないし、福山雅治という人物があんまり好きじゃないってこともあるかも知れない。 台詞に下ネタが多すぎて、あれじゃあつきあい始めぐらいの、若い…

『後妻業の女』

黒川博行の小説は大体そうだが、結局のところ内容が残酷だったり猟奇的だったりしない。 疫病神シリーズにしても半端なヤクザとその悪さに付き合わされるしょうもないチンピラくずれが出てくるだけで、喧嘩は派手だが、あまり人がバタバタ死んだりはしない。…

『コンビニ人間』

内容(「BOOK」データベースより) 36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎…

戦争について

毎年この時期になると広島と長崎に落とされた原爆、戦時中の内外の様子などのドキュメンタリー番組が放送される。太平洋戦争での体験を記憶して存命の方はまだまだ多いが、ほとんどは80代なので、記憶に留めているのは少年少女時代の本土での経験であり、…

『何者』(映画)

朝井リョウの直木賞受賞作。ネット配信されたときに一度見て、先日WOWOWの放送を録画して、もう一度見ました。 本の方も読みましたが、その時はあまりピンとこない、いわゆる「刺さらない」印象を持ちました。 映画の方が、わかりやすくなっていると思います…

『生きてるものはいないのか』

『散歩する侵略者』を見たので、ついでに他の演劇の映画化作品も見てみようと思い、Amazonで中古のDVDを買ってみました。中古なのにけっこう高かったな。2,000円。 あんまり高くないんすか?これって。 『生きてるものはいないのか』は五反田団の演目ですが…

『ヒットマン』2007

たまに人がバンバン死んでいく映画が見たくなるときがある。そんなときには正にうてつけの映画。とにかく殺人兵器に仕立て上げられたスキンヘッドの殺し屋が格好いい。どんな危機的状況にあっても表情も変えず、平然と拳銃を撃ち込んでいく姿は正しくハード…

『シークレット・イン・アイズ』

FBI捜査官キウェテル・イジョホーの同僚であるジュリア・ロバーツの娘がレイプされ殺された。 事件が起きたのは2002年。彼らは検事で野心家のニコール・キッドマンらとともにテロ対策に明け暮れていた最中の出来事。当時は次の大規模テロを未然に防ぐことが…

『沈黙ーサイレンス』

基督教への幕府によるもの凄い弾圧。日本に渡ってきた宣教師たちの悲劇としての見方がある一方、実際に被害を被ったのは隠れ切支丹として生き(なければならなくなっ)た貧しい農民や漁民。加瀬亮はなんの前振りもなくいきなり見せしめのため斬首。小松菜奈…

『葛城事件』

自己顕示欲が強く、自己肯定ばかり、自己中心的で見栄っ張り、暴力的で自分の価値観が絶対と信じて疑わず、常に周囲を支配しようとする。こんな父親に育てられたら、妻や子どもが、こうなってしまうのも仕方ない。でも、すべて親の責任かと言うと、そこは少…

『スノーデン』

エドワード・スノーデンがCIAやNSAのXKeyscoreとかPrismとか呼ばれているプログラムでアメリカが各国の要人や国民のあらゆる通信を監視していたことを公に曝露するまでのことが描かれている。監督はオリバー・ストーン。ジョセフ・ゴードン=レヴィットのス…

『夜の署長』安東能明

安東能明の本は電子書籍になっているものはほとんど読んでいます。 今回読んだのは『夜の署長』 短編集です。 新宿署の話なので、当然舞台は歌舞伎町ということになります。 新宿ならではの猥雑な人間関係の中で起こる事件は暴力的な面もありながら、社会の …

『オリーヴ・キタリッジの生活』

エリザベス・ストラウト作 2009年にピューリッツァー賞フィクション部門を受賞した作品。ピューリッツァー賞にフィクション部門というのがあるのを恥ずかしながら知らなかった。 メイン州の小さな湾に面した町で数学教師を務めていたオリーヴ・キタリッジな…

『コンサルタント』

ベンアフレック主演。監督ギャヴィン・オコナー。 裏社会のマネーロンダリングで荒稼ぎする会計士。不遇な幼少時代を送り、裏社会とつながりを持つようになった。某悪徳企業に嵌められ、命を狙われることになる。腕も滅法強く、射撃の腕前も超人的。 と、い…

『疑惑のチャンピオン』

原題『The Program』監督スティーヴン・フリアーズ 2015年 妻がツールドフランス好きで、公開時見に行きたがっていた作品。ツールドフランスでを7連覇したアメリカ人選手、ランス・アームストロングのドーピング疑惑を扱った映画。 ツールドフランスで頭角を…

感想:『みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子訊く 村上春樹語る―』

Kindle版。以前に『Monkey』という雑誌のコーナーで行ったものに、新たなインタビューを加えた一冊。こういうのまで読んでいるとなると、人からハルキストなどと揶揄されても文句は言えない。でもハルキストという呼び方には抵抗があるなぁ、やっぱり。 四分…

『ふきげんな過去』

実は去年、劇場に見に行っているのだけれど、あまりにもスクリーンに近い咳だったので画面の全体が見えず、何が何だか分からなかった印象があり、テレビで再見した。 劇場ではスクリーンに圧倒されて分からなかった台詞の面白さ、ストーリーの面白さも、今回…