塚田トオル's Blog

還暦間近のおっさんが綴る雑記録

『ふきげんな過去』

実は去年、劇場に見に行っているのだけれど、あまりにもスクリーンに近い咳だったので画面の全体が見えず、何が何だか分からなかった印象があり、テレビで再見した。
劇場ではスクリーンに圧倒されて分からなかった台詞の面白さ、ストーリーの面白さも、今回はよくわかった。
日常の中であたかも自然発生的に生じる不条理な出来事の風景。
 
前田司郎の書いたものに良く出てくるのは「未来って過去でしょ」という概念です。未来は過去の経験から想像するしかない。つまり自分が想像する未来は自分の過去の域を出ない。そうすると「未来って結局過去でできてんじゃん」ということになる。
今回ふと思ったのは、僕は小泉今日子ってあんまり好きじゃないんじゃないか、ということ。そう考えてみると、彼女がデビューした当時もそれほど可愛い子が出てきたという印象がないし、当然そんなに夢中になった記憶もない。デビュー当時からそんなに刺さらなかったということではないか。あまちゃんに出てきたときもやっぱり薬師丸ひろ子の方が女優としては格上という感じがしたし、個性が強すぎるのか、何に出てきてもそれは小泉今日子本人であって、作中の人物になっていないような気がするのである。
というわけで今作の拾いものは俳優でいえば、高良健吾かな。彼は何に出てきてもミステリアスな雰囲気も相まって、見ていて飽きない。