塚田トオル's Blog

還暦間近のおっさんが綴る雑記録

感想:『みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子訊く 村上春樹語る―』

Kindle版。以前に『Monkey』という雑誌のコーナーで行ったものに、新たなインタビューを加えた一冊。こういうのまで読んでいるとなると、人からハルキストなどと揶揄されても文句は言えない。でもハルキストという呼び方には抵抗があるなぁ、やっぱり。
 
四分の三ぐらいまでは、川上未映子も真面目に「あの作品のあのキャラクターの意味は…」などと村上春樹の研究者並の質問を繰り出している。それに対して村上春樹は「うーん、憶えてないなぁ」とか「え?ホントにそんなこと書いてた?」などと、とぼけている風もなく答えている。
ただ終わりの方になると、BSジャパン若林正恭がやっていた番組『ご本、出しときますね』みたいなノリになって、「前の作品読み直して『やっぱオレってすげーな』『突き抜けてんな』みたいに思ったりすることないんですか」なんていう質問をし始める。
これに村上春樹は一貫して「そんなこと思ったことないよ」「だいたい前に書いたものって読み返さないもん」と答えていて、これはもうホントにそういうこと思わないんだろうな、