塚田トオル's Blog

還暦間近のおっさんが綴る雑記録

『生きてるものはいないのか』

散歩する侵略者』を見たので、ついでに他の演劇の映画化作品も見てみようと思い、Amazonで中古のDVDを買ってみました。中古なのにけっこう高かったな。2,000円。
あんまり高くないんすか?これって。
 
『生きてるものはいないのか』は五反田団の演目ですが、前田司郎が小説の形でも書いています。小説の方は、とにかく訳も分からないまま次から次へと人が死んでいくという話で、読んだときは正直あまり面白いものとは思いませんでした。
ある地方の大学とその隣に建っている病院が舞台。その病院の地下では米軍が密かにウィルスの研究を続けているという都市伝説があるのですが、そしてある時、突然人がバタバタと死に始める。人が死んでいく理由は最後までわかりません。起承転結的なものは何もなく、まあ一種の不条理劇という感じです。
一方、映画の方は“言葉”として人の口から話される台詞が面白かったし、そういう意味では映画の方が小説よりも作品としては面白いものになっていたと思います。ただしあくまでもそれは小説と比べた時の話で、演劇だったらもっと台詞の面白さが生かされて、面白いものになっているのかも知れません。石井聰亙あらため石井岳龍監督。2012年作品。