『疑惑のチャンピオン』
原題『The Program』監督スティーヴン・フリアーズ 2015年
妻がツールドフランス好きで、公開時見に行きたがっていた作品。ツールドフランスでを7連覇したアメリカ人選手、ランス・アームストロングのドーピング疑惑を扱った映画。
ツールドフランスで頭角を現し始めた20代の頃、精巣ガンが見つかるが、脳にも転移がある末期的な状態から、手術と化学療法でガンを克服し、リハビリを積んで、再び自転車競技に復帰したというところからして、かなり非凡な人生だったことが窺える。その後、ツールドフランス7連覇でしこたま稼いだ金を、ガン撲滅チャリティー運動に投じ、自らも活動する。
あまり知らなかったけれど、アメリカでは超有名人の英雄だったらしい。
しかし結局はドーピングの証拠が見つかって、7連覇の偉業もなかったことにされてしまう。ガンの治療研究を進めるチャリティー活動という大きな正義も行ったけれど、その反面、違法なドーピングも当たり前のように行っていたという、文字通り清濁両面を合わせ持つ人物だったようである。ワンマンで王様気取りの振る舞いは、周囲にしてみれば、相当鼻持ちならないものだったようだし、実際、あまり人から好かれはしなかったようだ。